ガソリンスタンド業界は法人向け燃料カード契約という安定収益源を持つ一方、EV化の進展により中長期的な事業モデルの転換を迫られている。既存の元売り系列との関係もあり、営業活動には業界構造を踏まえた慎重さが求められる。

元売り系列との関係が営業の自由度を左右する

燃料カード営業は物流・運送業など法人の車両利用実態に応じた提案が中心となるが、同時にEV化の波を見据えた洗車・整備・充電インフラといった新規事業への転換提案も必要になっている。既存系列との取引関係が営業活動の自由度を左右する点も特殊だ。

  • 法人向け燃料カード(給油・決済一元化)契約の新規開拓
  • EV充電設備導入やカーケア事業へのシフト提案
  • 元売り系列によるブランド・仕入条件の制約

燃料カード開拓は代行向き、EV関連提案は自社の経営判断で

法人向け燃料カードの新規開拓テレアポや、運送・物流業への提案アプローチは代行に任せやすく、初回接点から契約締結まで1〜2ヶ月程度で決まることも多い。一方、元売りとの契約条件や系列内での取り扱い判断は自社の経営判断領域だ。

[燃料カード契約]                     [EV充電設備導入]
代行向き・短期決着            ⇔       自社の経営判断・長期検討
車両管理部門1〜2名で判断               経営層を含め半年〜1年
1〜2ヶ月で契約締結                     新規事業として慎重に検討

車両管理部門とEV検討会議、決裁スピードの差

法人側では総務・車両管理部門が窓口となり、コスト削減効果と管理の簡便さが決め手になりやすい。EV関連の新規事業提案は経営層を巻き込んだ長期検討になる傾向がある。

提案軸主な対象決裁の特徴
燃料カード契約運送・物流・営業車両保有企業車両管理部門1〜2名程度の判断
EV充電設備導入商業施設・自治体経営層を含む半年〜1年程度の長期検討

ポイント:燃料カード営業と将来のEV関連事業提案は時間軸が異なるため、営業代行にはまず前者の新規開拓を任せるのが現実的だ。

契約更新のたびに単価が動く、価格改定期の実務ポイント

燃料カード契約は1〜2年ごとの契約更新サイクルが一般的で、導入後も原油価格の変動に応じて単価が見直されることが多い。契約時の条件だけでなく、価格改定時の通知ルールや交渉余地についても事前にすり合わせておく必要がある。法人の車両管理担当者にとっては、単価そのものよりも予算管理のしやすさや請求の透明性のほうが重視されやすい。

こうした前提を踏まえ、営業代行に依頼する際は次の点を徹底したい。

  • 元売り系列のブランドポリシーに沿った営業表現を徹底する
  • EV化への言及は不安を煽らず段階的な提案にとどめる
  • 燃料カードは管理の簡便さを具体的な数値で訴求する
  • 新規開拓の架電体制は2〜3名程度で立ち上げるケースが多い

また洗車・オイル交換・車検といった既存の付帯サービスを燃料カード契約先にクロスセルできれば、単価競争に巻き込まれにくい収益源を育てることにもつながる。営業代行には新規開拓のアポ獲得を任せつつ、こうした付帯サービスの訴求は自社担当が個別にフォローする分業が現実的だ。

導入前によくある疑問

Q. ガソリンスタンド業界で営業代行は使えるのか A. 法人向け燃料カードの新規開拓では活用しやすい。

Q. EV化を見据えた提案も任せられるか A. 経営判断に関わる部分が大きいため、初期の情報提供までを代行に任せるのが現実的だ。

Q. 元売り系列との関係で制約はあるか A. ブランドポリシーにより営業表現や取扱商品に制約がある場合があり、事前確認が必要だ。

Q. 燃料カード契約の決裁期間は A. 車両管理部門の判断が中心のため、比較的短期間で決まることもある。

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